icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻11号

1982年11月発行

文献概要

技術講座 生化学

GOT-mの測定法

著者: 亀井幸子1

所属機関: 1東大中央検査部

ページ範囲:P.966 - P.970

文献購入ページに移動
 GOTは古くから知られている酵素で,臨床的に応用されるのも早かった.GOTは本来ほとんどすべての組織に含まれているのだが,組織によって含量に差がある.GOTを豊富に含む組織・臓器に病変があるときは病変部からの逸脱によって血清GOTレベルが上昇することが知られていて,肝疾患,心疾患,筋肉疾患などで重要な指標である.ところで1960年ころから,GOTには細胞上清分画中に存在するGOT-sと,ミトコンドリア内に存在するGOT-mの,二種類のアイソエンザイムがあることが知られてきた.両アイソエンザイムとも臓器による差はなく,どの組織にも共通な二種のGOTが存在する.
 このGOTアイソエンザイムに着目してみると,図1に示すようにGOT-mはミトコンドリア内に存在し,細胞膜,ミトコンドリア膜と,二重に膜に包まれている.この状態から考えれば,GOT-mの血中への逸脱はミトコンドリアの機能異常や,細胞障害の重篤さを示す指標になるのではないかと注目されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら