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文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻11号

1982年11月発行

文献概要

マスターしよう基本操作A

硫安による塩析法

著者: 上村英夫1 亀子文子1

所属機関: 1信州大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.997 - P.1004

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 溶液中の各蛋白質は,異なった塩濃度で溶解度が最大になり,それ以上の塩濃度では逆に溶解度が減少するので,この性質を利用して蛋白質を分画するのが塩析法である.塩析には,硫酸アンモニウム(硫安)がもっとも多く用いられる.塩析法は,ほかのいろいろな手段と組み合わされて,体液中の蛋白質や組織から抽出された蛋白質の精製の初期段階でよく利用され,また最終段階でも,蛋白質の結晶化はほとんどが塩析法による.
 ここでは,臨床検査に関係のある塩析法として,抗血清の精製法と血清蛋白質の分画法について解説する.塩析は室温で行い,沈殿と上清は遠心器で分離し,氷室で透析して硫安を除く方法で,塩析法としては,いずれも比較的簡単な操作で済む.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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