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文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻11号

1982年11月発行

文献概要

読者への手紙

赤血球沈降速度測定用のクエン酸ナトリウム溶液について

著者: 福武勝博12

所属機関: 1東京医科大学 2ICSH赤沈専門

ページ範囲:P.1016 - P.1016

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 「検査と技術」第10巻第7号に"赤血球沈降速度(赤沈)"と題する私たちの論文1)が掲載されているが,赤沈用クエン酸ナトリウム濃度の記述について読者の方々が疑問を持たれていることもあろうかと思われるので,若干の加筆を試み,御了解を得たいと思います.
 最近,日野志郎先生が「臨床血液」の誌上に,"抗凝固剤クエン酸ナトリウム溶液の濃度"と題された論文2)に,私が今回加筆したい内容について要領よく述べられているので参考にしていただきたいが,要するに,ICSHとしては国際標準法として赤沈用クエン酸ナトリウム溶液の濃度は109mmol/lのものを推奨しているということになると思いますが,ただ日野先生も私もよく理解できないのは,ICSHの赤沈用抗凝固剤の製法についての記載にTrisodium citrate dihydrate(Na3C6H5O7-2H2O):109 mmol/l solution(32.8g;distilled water 1 liter)3)と書いてある点です.クエン酸3ナトリウム2水塩の分子量はm. w.=294.10ですから,109mmol/lに相当する%表示は294.10×0.109g/l=294.10×0.109×0.1w/v%=3.20569w/v%となるはずで,通常の表示法では3.2w/v%でよいことになり,3.28w/v%にはならないはずです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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