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文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻12号

1982年12月発行

文献概要

コーヒーブレイク

日本の剖検活動の現況

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.1043 - P.1043

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 厚生省の人口動態統計によれば毎年70万人前後の方が亡くなられている.日本全国の剖検症例を集録した日本病理剖検輯報は1958年(昭和33年)から毎年刊行されているが,当時1万例足らずであった剖検症例も年々増加し,1980年(昭和55年)には36,134例に達している.1958年には全死亡者数あたりの剖検症例は1.4%に過ぎなかったが,1980年には5.0%と上昇した.
 脳血管疾患についで悪性新生物は重要な死因であるが,悪性新生物による死亡症例は年々増加してきている.悪性新生物による死亡症例のうち剖検される症例も年々増加し,現在その剖検率は12.6%に達している.これは全疾患の剖検率5.0%をはるかに上回る.剖検される症例は病理医の居るような大きな病院で亡くなることが多いと考えられる.癌の症例は病院での看護の下になくなられたのであろう.悪性新生物の中でも白血病症例はその25%が剖検に付されている.出血・感染などのためにどうしても在宅でなく,病院での加療が必要となるのであろう.これに比し,脳血管疾患の剖検率は低い(1.9%).これは在宅で亡くなられることが多いためとも考えられる.このように疾患による剖検率の違いもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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