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文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻12号

1982年12月発行

文献概要

トピックス

血液培養陰性の感染性心内膜炎(IE)

著者: 木下安弘1

所属機関: 1千葉大学保健管理センター

ページ範囲:P.1079 - P.1079

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 これまで亜急性細菌性心内膜炎(SBE)と呼ばれていた疾患は,検査技術,診断,治療方法などの進歩に伴い,従来のように典型的な発症を示すことは少なくなり,加えて,また細菌のほかにいろいろな微生物が病原体として知られてきたので,現在は,SBEの代わりにIE(infectious endocarditis)といわれるようになってきた.
 IEの診断は,いうまでもなく,検査室における血液培養により病原体を分離同定することに基づくが,この問題をめぐりMayo Clinicでシンポジウムが開催され,血液培養陰性の心内膜炎(culture-negative endocarditis)が主題の一つに取り上げられた.IEの場合,感染した心内膜病巣から比較的一定して病原体が血中に流出しているので,レンサ球菌では,第1回の血液培養で96〜98%,ブドウ球菌の場合には88%が陽性となる.しかし,問題の血液培養が陰性になって診断に支障が起こる場合を調べてみると,第1の原因は,すでに投与された抗生物質,特に培養前2週間以内に与えられた抗生物質である.そのために,採血された血中の抗生物質を不活性化し,あるいは,除去して培養の陽性率を高める試みが行われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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