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マスターしよう基本操作A
血圧の測り方
著者: 山川和樹1 森沢康1
所属機関: 1獨協医科大学公衆衛生学
ページ範囲:P.1087 - P.1094
文献購入ページに移動 血圧測定は一般に簡単であると考えられているが,測定手技に注意すべき点が多々ある.血圧は,運動・興奮・不安・寒冷・ストレス・食事・タバコなどの条件に影響され,また一日のうちでも夜間・早朝に低く,午後に高い日内変動がみられるため,測定条件を一定に保つことが重要である.血圧計は通常,Riva-Rocci型水銀血圧計を用い,マンシェットのゴム嚢は上肢用では幅13cm,長さ22〜24cm,下肢用は幅18cmのものを用いるが,WHOでは幅は少なくとも14cm,長さは上腕を一周するのに十分な長さのものを勧めている.集団検診などでは坐位にて右上腕部で測定するが,臨床の場では左右差,上・下肢の差などをみるために,左右上腕,大腿,下腿にて血圧を測定することがある.血圧はSwanの第I点を最高血圧,第V点を最低血圧とし,第IV点を併記することが望ましいと考える.ここでは,水銀血圧計を用いた一般的血圧測定手技について,日本循環器管理研究協議会血圧測定の手技に関する研究を基に解説したい.
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