文献詳細
文献概要
検査を築いた人びと
検眼鏡,角膜計を発明した ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ
著者: 酒井シヅ1
所属機関: 1順天堂大学
ページ範囲:P.356 - P.356
文献購入ページに移動ヘルムホルツは1821年,ベルリンの郊外のポツダムに生まれた.父親はギムナジウムでギリシァ語を教えていた.父親の影響で少年時代からギリシァ語の詩を鑑賞し,将来はギリシァの古典を研究したいと思う日もあった.しかし,彼がいちばん得意としたのは数学で,将来物理学者になりたいと思っていたが,家庭の事情から,ベルリンの軍医養成所の給費生となって医学を学んだのである.しかし,在学中にここで19世紀の医学の巨匠ヨハネス・ミュラーの知遇を得ることができた.ミュラーは生理学,発生学の方面に多大な功績を残し,ロマン主義哲学に陶酔していたドイツ医学界を目覚めさせるのに大きな役割を果たした人である.ヘルムホルツは彼から深い感化を受けていた.
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