文献詳細
病気のはなし
文献概要
ニューモチスティスカリーニ(Pneumocystis carinii)肺炎は,はじめ第二次世界大戦後のヨーロッパで,孤児院などにいる未熟児や虚弱児,栄養失調の小児に流行性に発生する肺炎として注目されたが,最近では免疫不全をきたす疾患を有する患者や,免疫抑制剤の投与をうけている患者に発生する日和見感染症の一つとして脚光を浴びている疾患である.我が国では,1961年吉村らの報告1)が最初で,死亡例の報告が相次いだが,この疾患に対する認識も高まると同時に,ST合剤が治療薬として有効であることもあって,ここ数年の間に生前診断して治療した症例や,治癒せしめた症例の報告がみられるようになってきた.
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