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検査法の基礎理論 なぜこうなるの? 選択培地の機構・2
嫌気性菌
著者: 森伴雄1
所属機関: 1三井記念病院中央検査部
ページ範囲:P.413 - P.418
文献購入ページに移動 かつて嫌気性菌感染症といえば,芽胞をもつClostridiumによる破傷風,ガス壊疽,ボツリヌス食中毒などであったが,これらの疾患は頻度が低く,一般に特殊なものと考えられていた.
しかし,嫌気性菌の分離培養法の急速な進歩に伴い,無芽胞嫌気性菌に関心が高まりつつある.無芽胞嫌気性菌はヒトの正常細菌叢を構成する主要な細菌で,酸素に対してClostridiumより敏感であるが,嫌気性菌用培地の国産化,簡便な嫌気培養装置の開発などにより嫌気性菌の分離率は飛躍的に増加し,培養陽性材料の15〜20%から分離され,そのほとんどが無芽胞嫌気性菌である.これらの大部分は非病原菌あるいは弱毒菌と考えられていたが,近年,悪性腫瘍,白血病,自己免疫疾患のように重篤な基礎疾患を有する患者の増加とともにopportunistic infectionの起因菌としても重要視されるようになってきた.
しかし,嫌気性菌の分離培養法の急速な進歩に伴い,無芽胞嫌気性菌に関心が高まりつつある.無芽胞嫌気性菌はヒトの正常細菌叢を構成する主要な細菌で,酸素に対してClostridiumより敏感であるが,嫌気性菌用培地の国産化,簡便な嫌気培養装置の開発などにより嫌気性菌の分離率は飛躍的に増加し,培養陽性材料の15〜20%から分離され,そのほとんどが無芽胞嫌気性菌である.これらの大部分は非病原菌あるいは弱毒菌と考えられていたが,近年,悪性腫瘍,白血病,自己免疫疾患のように重篤な基礎疾患を有する患者の増加とともにopportunistic infectionの起因菌としても重要視されるようになってきた.
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