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文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻5号

1982年05月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの? 選択培地の機構・2

嫌気性菌

著者: 森伴雄1

所属機関: 1三井記念病院中央検査部

ページ範囲:P.413 - P.418

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 かつて嫌気性菌感染症といえば,芽胞をもつClostridiumによる破傷風,ガス壊疽,ボツリヌス食中毒などであったが,これらの疾患は頻度が低く,一般に特殊なものと考えられていた.
 しかし,嫌気性菌の分離培養法の急速な進歩に伴い,無芽胞嫌気性菌に関心が高まりつつある.無芽胞嫌気性菌はヒトの正常細菌叢を構成する主要な細菌で,酸素に対してClostridiumより敏感であるが,嫌気性菌用培地の国産化,簡便な嫌気培養装置の開発などにより嫌気性菌の分離率は飛躍的に増加し,培養陽性材料の15〜20%から分離され,そのほとんどが無芽胞嫌気性菌である.これらの大部分は非病原菌あるいは弱毒菌と考えられていたが,近年,悪性腫瘍,白血病,自己免疫疾患のように重篤な基礎疾患を有する患者の増加とともにopportunistic infectionの起因菌としても重要視されるようになってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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