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酒は飲むべきか?—アルコールとHDLの抗動脈硬化作用をめぐって
著者: 木下安弘1
所属機関: 1千葉大保健管理センター
ページ範囲:P.529 - P.530
文献購入ページに移動さて,アルコールは,これまで心臓の筋肉自体に悪い作用を及ぼし,心不全や不整脈を起こし,突然死にも関係するといわれてきた.また,身体の幹部に脂肪を沈着させて肥満をつくり,高コレステロール血症と高血圧を促進するから,狭心症や心筋梗塞の危険因子につらなるとされてきた.しかし,反面,なぜか昔から慢性のアルコール中毒患者には動脈硬化症の軽いことが知られており,加えて1974年にKlastkyらがアルコール飲用者では,心筋梗塞の危険が少なくなるといい始めてからは,にわかにこの問題が,愛飲家を弁護するかのように精彩を帯びるに至った.
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