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文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻7号

1982年07月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

喀痰中の起炎菌の決定方法

著者: 那須勝1

所属機関: 1大分医科大学内科

ページ範囲:P.584 - P.589

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 呼吸器感染症の起炎菌を決定する場合に,もっともよく用いられる材料は,喀痰である.喀痰から起炎菌を見つけていく場合に,いくつかの問題点があげられる.すなわち,
 (1)喀痰が,はたして病巣由来のものであるのかどうか.
 (2)喀痰に混入した上気道の常在菌を,いかにして取り除くか.
 (3)痰を喀出できない患者の検査.
 (4)その検査材料に,化学療法剤の影響がないかどうか.
 (5)使用する培地の種類,培養条件(好気,嫌気,CO2培養など).
 (6)検出された菌種のうち,どれが真の起炎菌なのか.
 などである.
 現在,起炎菌を見つける方法として,表1に示すような方法がとられているが,残念ながらまだ確立された方法はない1).喀疾から,結核菌,ジフテリア菌,百日咳菌などが検出された場合は,ただちに起炎菌としての意義はもたせられるが,これら以外の菌では,検出された菌のうちどれが真の起炎菌であるのかということを決定することは非常に難しいことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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