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文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻8号

1982年08月発行

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

HDLコレステロールの測定法

著者: 野間昭夫1

所属機関: 1東京都養育院付属病院研究検査部

ページ範囲:P.686 - P.690

文献概要

 最近では多くの検査室でHDLコレステロール測定がルーチン化しているが,この測定法では,リポ蛋白(HDL)の分画とコレステロール定量の二段階に分けて考える必要がある.後者,すなわちコレステロール定量は近年はほとんどの施設が酵素的測定法に基づいて行われており,この原理などについては多くの著述があるので,今回は省略する.これに対し,HDL分画法は,①超遠心法(Airfuge法も含む),②電気泳動法,および,③沈殿法に大別される.
 第1の超遠心法は,大きな遠心力場内に溶液を置いて沈殿速度(リポ蛋白の場合は浮上速度)の差によって粒子を分離分画するもので,通常の遠心機によるものと原理的には全く同じである.リポ蛋白分画の場合には,溶媒の密度を変え幾度にも分けて超遠心分離して各リポ蛋白を別個に浮上させる方法,Airfugeで通常用いられているように数種の密度の異なる溶媒層を重ね超遠心する方法,連続的に密度勾配を作って超遠心する方法など種種の方法があるが,原理的には問題はなかろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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