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技術講座 生化学
コリンエステラーゼのアイソザイム—Pseudo cholinesteraseの多様性の解析
著者: 須藤加代子1
所属機関: 1浜松医科大学病院検査部
ページ範囲:P.703 - P.708
文献購入ページに移動 コリンエステラーゼはコリンエステルを加水分解して,コリンと有機酸を生ずる酵素である.生体内にはいわゆる二種のコリンエステラーゼが存在している.一方はアセチルコリンエステラーゼ(EC 3.1.1.7慣用名true cholinesterase;A-chE)であり,神経組織,筋肉,赤血球に多く存在している.最近,農薬中毒にてA-chEの低下が問題となっているが,アイソザイムとして血清レベルにて臨床評価の対称とはなされていない.また赤血球では膜に結合しているたあ溶血試料でも遠心により取り除くことができ,通常の血清中にはほとんど存在していない.
もう一つのコリンエステラーゼは(EC 3.1.1.8慣用名pseudocholinesterase;P-chE)でありブチリルコリンを至適基質としアシルコリン類に作用し,有機酸とコリンに分解する.この酵素は肝臓で産出され,血清,肝臓,皮膚,腸管粘膜などに多く存在している.日常検査ではP-chEが測定されており,肝の蛋白合成能をよく反映する点で臨床的な評価の対象とされている.
もう一つのコリンエステラーゼは(EC 3.1.1.8慣用名pseudocholinesterase;P-chE)でありブチリルコリンを至適基質としアシルコリン類に作用し,有機酸とコリンに分解する.この酵素は肝臓で産出され,血清,肝臓,皮膚,腸管粘膜などに多く存在している.日常検査ではP-chEが測定されており,肝の蛋白合成能をよく反映する点で臨床的な評価の対象とされている.
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