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文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻9号

1982年09月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

抗インスリン抗体の検索

著者: 小口修司1 竹下栄子1 加野象次郎1

所属機関: 1慶応義塾大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.788 - P.792

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 インスリン依存型糖尿病患者(Insulin-Dependent Diabetes Mellitus)の治療にウシやブタなどのインスリン製剤が投与されるが,これら異種動物のインスリンは非自己として認識され,患者血中にその外因性インスリンに対する抗インスリン抗体が出現することはよく知られている.また,1970年に平田ら1)はインスリン投与の既往がないにもかかわらず,何らかの原因で自己のインスリンに対する抗体の出現するインスリン自己免疫症候群を報告した.
 インスリンの測定にはBerson & Yalow2)により開発されたラジオイムノアッセイ(RIA)が広く用いられており,その定量値は免疫学的方法に基づくことにより,インスリンの免疫活性(immunoreactive insulin;IRI)として表わされる.抗インスリン抗体保有患者の血中IRI測定においては,この血中の抗体が測定系の抗原抗体反応に干渉を及ぼすため,IRI測定の目的である膵β細胞機能の推定は不可能となる.ここでは血中に抗インスリン抗体が存在したときの検索について,データの評価も含めて解説したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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