icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻9号

1982年09月発行

文献概要

トピックス

CRPとIFN

著者: 富田仁1

所属機関: 1京都博愛会病院

ページ範囲:P.816 - P.816

文献購入ページに移動
 CRP(C-reactive Protein;C反応性蛋白)は,急性炎症や組織の破壊があれば,流血中に増量するいわゆる急性反応物質の一つとして,万人周知の血清蛋白の一成分である(産生細胞は,網内系細胞とか肝細胞などといわれているが定説ではない).急性炎症といっても,菌血症,溶レン菌感染症,化膿性炎症,腎盂尿路感染症,胆道感染症やリウマチ,膠原病の発熱時などにおいて,CRPは強陽性に出やすいが,インフルエンザ,急性肝炎,脳炎,麻疹,耳下腺炎など純粋なウィルス感染だけのときには,CRPは強陽性には出難い.そのようなウイルス感染のときには,IFN(interferon;インターフェロン)が増量していると推定される.
 CRPは,分子量120,000〜140,000といわれ,5〜6個のsubunit(分子量約20,000)から成る糖蛋白で,好中球の細菌に対する貪食作用を促進する(phagocytosis Promoting factor)とか,補体系のclassical pathwayを活性化するとか,血小板機能を抑制するとか,T細胞の機能を調節するなどして,生体防御に重要な役割を果たしているとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?