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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻1号

1983年01月発行

文献概要

基礎実習講座

水銀の洗浄法

著者: 松本佶也1

所属機関: 1東大病院中央検査部

ページ範囲:P.65 - P.69

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 水銀は重金属でありながら,液状流動性をもっているなど,その性質と特性によって,計器,電極,電池などに利用されたり,また検査室や理化学実験室においても,測定装置に多量に使われている.従来水銀は蒸気や化合物が,人体を浸襲し,多様な中毒症状をひき起こす毒性を有する物質であるから,その取り扱いには十分注意せよといわれてきた.水銀の鉱業精錬,工業製品専業者の発症によって,その毒性の恐ろしさを知ってきたが,水俣病などの水銀毒による環境公害が発生し,法律によって環境公害規制物質として,環境,排水,総量などの濃度基準が設定された.
 水銀の物理化学的性質によってその特性は異なるが,健康に関わる被害を生ずる物質として濃度規制(Hgとして0.005 ppm)をされている.それは,ひいては検査室周辺に水銀が存在していれば,その取り扱いには注意し,使用量の減量化とともに,保管や使わなくなった水銀の廃棄などについても,慎重に対処しなければならないことにつながる.使用中飛散した水銀の細粒は完全に回収されているだろうか.精製された水銀も,検査室で使われているうちに血液,油脂,試薬さらに塵介によって汚染される.汚れた水銀は安全に保管されているだろうか.この実習講座では,筆者が実施している簡便な水銀の飛散細粒回収法と洗浄法を中心に述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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