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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻10号

1983年10月発行

文献概要

技術講座 生化学

CKのアイソエンザイム

著者: 岡部紘明1

所属機関: 1東京都養育院附属病院研究検査部検査科

ページ範囲:P.893 - P.898

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 CK(EC 2.7.3.2)はMM,MB,BB型の3種類のアイソエンザイムが報告されている1).CK活性の測定方法はローマン反応2)に関与するどの基質を測定するかによって,いくつかの方法があるが,総活性の測定方法は現在国際臨床化学会(IFCC)から勧告案が出されている.しかし,アイソエンザイムの分離方法によっては,必ずしも勧告案どおりの測定はできない.CKアイソエンザイムの測定の重要性は心筋梗塞3),筋肉疾患4)の際の有力な診断法であるからであり,電気泳動上アルブミンとほほ同じ易動度を示すBB型(脳型),γ-グロブリンとほぼ同じ易動度を示すMM型(筋型),また中間位で心筋型であるMB型は,β-グロブリン易動度と同じところに出現する.血清中ではMM,MBが主でBBは非常に少ない.これらのアイソエンザイムの分離法で,日常検査で使われているものは電気泳動法5〜7),カラム法8,9),免疫阻害法10〜12)があげられる.これらの方法はそれぞれ長短所が有り,また主としてCK-MBの分離を中心に考えている.これは心筋梗塞を診断するため緊急性を要するものであるが,酵素として不安定で失活しやすいので検体の取り扱いも注意が必要である.本項では,電気泳動法,ミニカラム法,免疫阻害法の3種の分離法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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