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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻10号

1983年10月発行

文献概要

けんさアラカルト

ポリ容器を使ったセル乾燥器

著者: 石田浩二1

所属機関: 1慶応義塾大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.909 - P.909

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 通常,分光光度計を用いて溶液の吸光度を測定する際,まずセルに少量の溶液を入れて共洗いをしてから,溶液を入れて吸光度を測定する.しかし,溶液が非常に少量で共洗いができない場合,あるいは,酵素反応速度測定などで,セルを反応容器として直接用い試薬を順次分注して,吸光度変化量を追跡するような場合には,洗浄水の残りが試薬を希釈してしまい誤差となるので,セルの乾燥を必要とする.
 セルを乾燥させる方法としては,有機溶媒(メタノール,アセトンなど)を少量入れて捨てる操作を2〜3回行い,自然乾燥する方法と,カメラのレンズなどについたホコリを吹きとばすのに用いるブロワー,あるいはヘヤードライヤーで風を送り乾燥させる方法がある.しかし,どちらも,セルを1本1本手でもちながら作業をしなければならないのと時間がかかる難点がある.そこでわれわれは他の作業をやりながらでも,セルを同時に10個,短時間に乾燥させるために,写真のようなセル乾燥器を作成し,使用している.使う材料としては,キット試薬の入っていた2lのポリ容器を本体として利用し,そこにヘヤードライヤーの先が入る穴を,工作用のカッターで切り開けた.そしてセルを逆さにしてたてておき,下からパイプを通ったドライヤーの風により乾燥させる.したがってパイプが硬い材質であると,セルをセットする際に,内壁に傷を付ける可能性があるため,柔らかい材質のポリエチレンチューブホース(4φ×6φ)を用いた.そのパイプをポリ容器の上面に取りつけるために,適当な間隔で直径5〜6mmの穴を10個,コルクボーラーで開けパイプをさし込んで出来あがりである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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