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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻12号

1983年12月発行

文献概要

トピックス

AIDS(後天性免疫不全症候群)

著者: 安部英1

所属機関: 1帝京大学第一内科

ページ範囲:P.1114 - P.1114

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歴史
 1981年6月にアメリカの連邦防疫センター(Centers of Disease Control;CDC)は,それまで健康であった男性同性愛者(male homosexuals)が急にPneumocystis carinii肺炎(PCP)あるいはカポシ肉腫(KS)を合併して,著明な細胞性免疫の障害を示した患者を報告してAcquired Immune Deficiency Syndrome(AIDS)と呼んだ.その後同様な患者が,静注麻薬常用者やハイチ島住民(同地方旅行者を含めて)に多数発生して今なお減少の傾向がみられないばかりでなく,これらの患者が発症前に供血した血液が混っていたと考えられる血液より製造した血液製剤を輸注された血友病患者,さらにこれらの患者と肉体的関係を持った女性やその分娩児,殊に感染源の混入していたと思われる血液や血漿の輸注を受けた小児などに短時間内に急激に発症した.しかもこれらの患者は本症の診断を受けた後半年以内に30%,1年以内に45%,3年以内には75%が死亡し,不治の疾病として大きな恐怖を呼びおこした.そしてその原因や発症機序,感染経路がいまだに明らかでないので,アメリカはもとより世界各国がその防疫や治療対策に腐心しているが,なお的確な回答や対策が見いだされず,むしろ反応過剰の傾向さえ認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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