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病気のはなし
クモ膜下出血
著者: 鈴木二郎1 片倉隆一2
所属機関: 1東北大学脳神経外科 2東北大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.122 - P.126
文献購入ページに移動これはクモの巣を何枚か重ね合わせて水が漏れないようにした薄いヒラヒラとした感じの膜で,軟膜との間には水のようなきれいな液体,すなわち脳脊髄液が静かに流れてたまっています.クモ膜の外側には強靱な0.5mm程度の厚い膜がすっぽり脳を包んで脳を保護し,その上にさらに堅い頭蓋骨があり,皮膚や筋肉で,さらに厳重に脳は保護されています.大切な脳は,外力から,貴重品のように何重にも保護されていることがわかります.クモ膜下出血とは,クモ膜と軟膜との間の,水のたまっているすき間に突然出血する病気であり,その原因はいろいろあります.原因の80%は脳動脈瘤の破裂,10%は脳動静脈奇型の破裂によるものであり,残りは白血病とか血友病とかの血液疾患などです(表1).
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