icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻2号

1983年02月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

リンパ球の分類—特にセルソーターの利用

著者: 熊谷善博1 奥村康2

所属機関: 1新潟大学農学部 2東京大学免疫学

ページ範囲:P.127 - P.131

文献購入ページに移動
 リンパ球は,性状,機能あるいは分化の程度の異なった不均一な細胞群から構成されている.したがって,リンパ球という細胞を定義することや分類することはなかなか容易ではない.形態学的には,球形の核を持つ遊離細胞の一群としてとらえることができるが,球形の有核細胞の中には,顆粒球や赤血球への分化途上の細胞や食作用能を有する細胞が含まれ,形態からリンパ球を同定することは難しい.さらにリンパ球の分類については形態学は無力に等しい.
 では,一体どのような方法でリンパ球を同定・分類することが可能であろうか.リンパ球の同定・分類に画期的な方法論をもたらしたのは,基礎免疫学的知見の蓄積に加え,1)リンパ球の機能的亜集団(サブセット)を分類し得る細胞表面の種々の遺伝子産物(細胞表面マーカー)の発見,2)それらの遺伝子産物に対して均一な抗体を産生する細胞融合株の作製技術の進歩,3)細胞分析機器の発達,特にセルソーター(細胞自動解析・分離装置;Fluorescence ActivatedCell Sorter;FACS)の開発,といえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら