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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻2号

1983年02月発行

技術講座 一般

髄液総蛋白定量

著者: 山道宏1 水田亘

所属機関: 1神戸市立中央市民病院臨床病理科

ページ範囲:P.153 - P.157

文献概要

髄液蛋白の病態生理
 髄液蛋白は脈絡膜を通して血漿の超透過(Ultrafltration)や蛋白の能動輸送(Active transport)によって血漿から作られる.血漿蛋白に比べて,その濃度はずっと少なく約1/100〜1/400であるが,その組成はよく血漿に似ている.しかし,わずかの蛋白は中枢神経側で産生されるものもある.髄液の総蛋白量は年齢とともに変化し,10〜40歳代で15〜45mg/dlであり,乳児や老人ではやや高い.表1に,これまで報告された髄液蛋白の正常値をまとめた.
 また,採取の際,解剖学的位置によって蛋白濃度は変化し,脳室,後頭下(大槽),腰椎部の順に下がるにつれて高くなる(表2).これはヨード標識アルブミンの静注実験によって,脳室よりも腰椎部でアルブミンの透過率が高いことで証明されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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