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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻3号

1983年03月発行

文献概要

病気のはなし

肺気腫

著者: 杉田實1

所属機関: 1兵庫医科大学第5内科

ページ範囲:P.210 - P.215

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特 徴
 本論に入る前に気道の構造に触れてみたい.気道は口腔と鼻腔より始まり,気管,左右の主気管支,区域気管支と順次2分岐を繰り返し,気管よりほぼ17分岐で終末細気管支に至る.終末細気管支より末梢は図1の上段のごとく3次にわたって呼吸細気管支が分岐し,肺胞管を経て,肺胞嚢,肺胞に終わる,
 さて肺気腫とはギリシャ語で過膨脹を意味し,「終末細気管支より肺胞に至る空間の異常拡張と肺胞壁の破壊的変化を特徴とする解剖学的変化」と定義されている1).この定義から容易に理解されるように肺気腫とは病理学上の診断名であるために,臨床的には肺の形態的変化を裏付けるような情報の集約的判断によって診断せざるを得ない.この点症状や所見によって診断される気管支喘息などとは異なる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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