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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻3号

1983年03月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

ゲル濾過法による蛋白分子量の測定

著者: 冨永喜久男1 藤野夫美子1

所属機関: 1九州大学医療短大部

ページ範囲:P.221 - P.226

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 生体に由来する新しい高分子物質が発見されると,まずそれが蛋白質か核酸か多糖類かを決める必要がある.蛋白質であることがわかると,次にその物質の物理化学的性質の一つとしてTiselius電気泳動法(自由界面電気泳動法)で易動度を求めたり,超遠心機を用いる沈降平衡法により分子量を求めるという手順がとられる.すなわち,超遠心法は分子量測定法としてもっとも優れている.かつて,Waldenströmがマクログロブリン血症を記載した際,新しく見いだされた蛋白を超遠心法で分析し,沈降恒数19 Sの蛋白としたことは有名な事実である.超遠心法はこの他蛋白質化学の領域で多くの重要な貢献をした.
 しかし臨床の分野,ことに編集部からの希望である"検査室で手がけることができるもの"ということになると,超遠心機は非常に高価,操作が繁雑,熟練が必要などの理由で,全く手がとどかないものとなってしまう.事実,この機械を見たことがないという読者が多いと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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