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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻4号

1983年04月発行

文献概要

けんさアラカルト

固定・脱水用振盪器

著者: 前田明1

所属機関: 1東邦大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.378 - P.378

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 病理組織標本作製過程で固定促進のため,あるいはまた組織の脱水を効率良く行うために振盪器を用いる場合が少なくない.しかしこれらの目的のために市販されている振盪器は高価であるため,約7年前われわれはギヤーヘッドで1分間に60回転に減速してあるコンデンサー型モーターを購入し,写真のような振盪器を作り,現在まで使用してきている.
 この振盪器は台上にレールを敷いて,資料瓶を載せる箱に戸車4個を取り付け,この箱をモーター回転部に連結させレール上を往来させることにより振盪を行うという,モーターの回転運動を直線運動に変えた比較的単純な振盪器である.モーター部に取り付けたクランク板の大きさは直径8cmで,中心からそれぞれ1.5,2,2.5.3,3.25cmのところにネジ穴を切って,その穴を選ぶことによりレール上を往復するスピードが調節できるようにしてあるが,実際使用に適した位置は3cmのところであった.これより内側ではスピードが増し,液の振盪も増すが組織に与える影響を考えるとあまり激しい振盪は好ましくない.載物箱は資料瓶が8個載せられるように中仕切りがしてあり,振盪器全体の大きさは28cm×90cmとややスペースをとるが,設置場所によっては資料載物箱の大きさを変えることにより有効に利用することが出来る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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