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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻5号

1983年05月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

クリオグロブリンの測定

著者: 吉田浩1 森藤隆夫1 粕川禮司1

所属機関: 1福島県立医科大学第二内科

ページ範囲:P.409 - P.414

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 血清を体温より低温(通常は0〜4℃)に保存すると白濁し,やがて白色の沈殿物の形成またはゲル化が認められ,それは37℃に温めると再び溶解する現象がある.この現象は1929年,Heidelbergerらにより初めて記載され,その後,1947年,Lernerらはこの寒冷沈降性蛋白をクリオグロブリンcryoglobulinと名付けた1).図1は4℃1夜放置後の血清で,大量のクリオグロブリン出現をみた例と少量認められた例を示したものである.
 クリオグロブリンの出現は基礎疾患の明らかでない場合(本態性または特発性)と明らかな基礎疾患を有する場合とに2大別されており,後者には種々の自己免疫疾患や感染症などが含まれている.クリオグロブリンが注目をひいたのは,この中のあるものが免疫複合体immune complexであり,ある種の疾病に病因的役割を演ずることがあると考えられたからであろう.本稿ではクリオグロブリンの検出・検索法,疾患との関係,およびその形成機序に関する考え方などについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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