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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻5号

1983年05月発行

文献概要

技術講座 細菌

ビブリオ属菌の分離と同定

著者: 東堤稔1

所属機関: 1財団法人大阪大学微生物病研究会臨床検査部

ページ範囲:P.427 - P.432

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 Vibrio cholerae(コレレ)はコレラの原因菌として,またVibrio parahaemolyticus(腸炎ビブリオ)は感染型食中毒の原因菌として知られているが,最近これら2菌種のほかに,急性胃腸炎あるいは下痢症の原因菌として,NAG Vibrio(ナグビブリオ,生物学的性状はコレレであるが,抗V. Cholerae 0-1血清に凝集しないnonagglutinable),Vibrio mimicus(ビブリオ ミミクス),Vibriofluvialis(ビブリオ フルビアリス),Vibrio alginolyticus(ビブリオ アルギノリティカス)などが注目されるようになった.このため昭和57年3月,厚生省環食第59号により,ナグビブリオ,ミミクス,フルビアリスなどに起因した急性胃腸炎や下痢症は食中毒として取り扱われることになった.ビブリオ属菌は急性胃腸炎や下痢症の他に,中耳炎,胆道感染,肺炎,創傷感染などを起こすことが知られている.またVibrio vulnificus(ビブリオ ブルニフィカス)は癌,白血病,慢性肝疾患などの基礎疾患のある患者に,敗血症を起こすことが報告されている.
 以下,これらの菌種の分離と同定について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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