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文献概要
けんさアラカルト
PAM染色—ホウ酸とホウ砂
著者: 林範子1
所属機関: 1東邦大学大森病院中検病理
ページ範囲:P.514 - P.514
文献購入ページに移動だんだん自分の行った操作が定かでなくなり,再度染色をやり直してもやはりその結果は同じで真っ白け.そのことを先輩に告げると,腕組みして暫し考え,試薬棚の前で"あなたはこれではなく,こちらのほうを使ったのでしょう?"と,先輩の指はラベルにホウ酸と書かれた試薬瓶を示していました.そしてその横にはゴシック体で四ホウ酸ナトリウム,その下にかっこして小さな字でホウ砂と印刷してある瓶があるではありませんか.考えてみれば,ぱっとホウの二文字しか読まずにホウ酸を使ってしまったようです.先輩は一人でうなずいて,これに違いないと言っており,やり直しの染色はまさしく先輩の一言を裏づける結果となりました.
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