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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻6号

1983年06月発行

文献概要

技術講座 輸血

Rh式血液型判定法

著者: 饗場弘道1

所属機関: 1神奈川県立こども医療センター検査科

ページ範囲:P.525 - P.530

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 Rh式血液型はLandsteiner & Wienerにより発見されて以来,現在血液型検査ではABO式血液型と並んで重要な日常検査の一つであり,その重要性についてはRh不適合妊娠による新生児溶血性疾患の原因となることや,輸血に際しての不適合輸血による強い副作用を起こすことなどでも知られている.一般にRh陽性といわれる場合はRho(D)因子(抗原)を持つことを意味し,逆にRh陰性といわれる場合はRho(D)因子(抗原)を持たないことを意味する.現在ではRh抗原は40数種類が発見されていて,そのうち日常輸血に際してもっとも関連のあるRh式血液型5種といわれているRho(D),rh'(C),rh"(E),hr'(c),hr"(e)と,Dの亜型といわれるRho(Du)については,臨床検査技師として知識と技術を習得しておくことが必要である.
 Rh式血液型検査では,D因子(抗原)に対する抗体が正常同種凝集素として存在することがないので,ABO式血液型のように"おもて","うら"検査という確認の手段がないだけに,反応条件,判定方法など最適の条件を選び慎重に行うことが大切である.
 市販されているRh式血液型判定用抗血清は,Rh陰性の人が陽性の血球により免疫されてできた不完全抗体(免疫IgG抗体)によるものが多く,一部の抗血清には完全抗体(IgM抗体)による製品が市販されている.判定用抗血清には不完全抗体による抗血清は"アルブミン液抗体"と表示してあり,完全抗体による抗血清は"食塩水抗体"と一般には表示してある.溶媒の種類(アルブミン液か食塩水か)により使用方法に大きな違いがあるため(表1),指示書を必ずよく読み溶媒の種類を確認することが大切である.また判定用抗血清には各々最適条件があり,指定の使用方法により実施した場合にのみその特異性を保証している.被検血球浮遊液の溶媒の種類,反応温度,反応時間などに違いがあるので,判定用抗血清の指示書の説明通り実施することが望ましい.しかし検査の術式のステップはどの製品にも共通している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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