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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻6号

1983年06月発行

文献概要

技術講座 一般

パンクレオザイミン・セクレチン試験

著者: 中野哲1

所属機関: 1大垣市民病院第2内科

ページ範囲:P.536 - P.541

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 膵臓は多くの消化酵素を分泌し,胃から送られてくる中間消化産物をさらに完全な形に消化する働きを有している.この膵臓の機能をみるための検査はLinが1933年,チューブを用いて胃液と十二指腸液を別々に採ることに成功してから始まったものである.1936年にはÅgrenとLagerlöfらがこれらを改良して二重管チューブで十二指腸液を持続吸引する方法を考案し,1939年Diamondはこれをさらに改良した.これらの特殊なゾンデを用いてHammersten,Voegtlin,Ågren,Lagerlöfらにより膵外分泌機能検査が行われるようになった.
 一方,1902年BaylissとStarlingによりセクレチンが,1928年にはコレシストキニンが,1943年にはパンクレオザイミンが十二指腸粘膜から発見された.このコレシストキニンとパンクレオザイミンはその後同一のものであることが判明し,現在では,cck/pz,またはpz/cckと略されている.現在膵外分泌機能検査法としてもっとも信頼性がおかれている.パンクレオザイミン・セクレチン試験(パンクレオザイミン,セクレチン試験,以下PS試験と略す)はcck/pzとセクレチンという二つのホルモンを投与し,それに反応して分泌される膵液を特殊チューブで採取して,膵液中のいろいろな成分を測定することによって膵外分泌機能をみようとするものである1).このほかにセクレチンのみでみるセクレチン試験(S試験)やpz/cckとセクレチンを逆に投与するSP試験もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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