icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻6号

1983年06月発行

文献概要

マスターしよう基本操作

マイコプラズマの検出法

著者: 跡部ヒサエ1 山本孝史1

所属機関: 1東京大学農学部家畜微生物学

ページ範囲:P.545 - P.552

文献購入ページに移動
 一般に"マイコプラズマ"と呼ばれる微生物は,原核菌類の中のMollicutes綱に含まれる全菌種を指している.Mollicutes綱は,Mycoplasma,Ureaplasma,AcholeplasmaおよびSpiroplasmaの4属と,未分類のAnaeroplasma,Thermoplasmaの2属を含む.Mollicutesとは,"soft skin"を意味し,細胞壁を欠き,多形性で孔径200〜450nmのメンブランフィルターの通過,抗体による発育阻止などの特性をもっている.現在,命名されている種の数は約70種を越えようとしていて,Mycoplasma種がもっとも多く"マイコプラズマ"の名称のゆえんである.これらは寄生性で,多くはヒト,動物の呼吸器系,尿生殖器系の粘膜に正常なフローラとして存在しているが,中には呼吸器疾患の原因菌となっているものもある.
 マイコプラズマの検出法は一般細菌と共通するところもあるが,マイコプラズマ特有の手技もあるので,以下クローニング,継代の方法,血清学的同定の中でもっとも広く行われている発育阻止試験,および迅速性が望まれる臨床検査室においても実施可能と思われる免疫蛍光法について,私どもの教室で行っている方法を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?