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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻6号

1983年06月発行

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トピックス

酸性食品とアルカリ食品

著者: 井川幸雄1

所属機関: 1東京慈恵医大中検

ページ範囲:P.569 - P.570

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 日本が経済的に成長し,食品も豊かになり選択の余地が十分にあるとなると,一方では様々な意見が横行する."血液は弱アルカリだから,酸性食品をとりすぎるといけない.アルカリ食品が健康食品であり,自然食品である"といった意見もその一つで,本当らしくもあり,啓蒙的な意味もあるが,科学的には正しくない言い方で,世を迷わすものといってもよい.
 食品の酸度あるいはアルカリ度というのははっきり定義された用語で,食品を空気中で500℃以上で燃やして得た灰の水溶液(無機質の溶液)の性状のことで,ナトリウム,カルシウム,マグネシウムなどが多いとアルカリ性で,リン,クロール,硫黄などが多いと酸性になることが知られている.したがって食品自体の酸性,アルカリ性とも一致しないし,生体内での代謝についても,一概に言うことはできない.例えばレモンなどの酸味はクエン酸(CH2COOH・CHOHCOOH・CH2COOH)によるもので,実際にも酸性であるが,レモンはNa,Kをたくさん含んでいるので,代表的なアルカリ食品になっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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