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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻7号

1983年07月発行

文献概要

アーチファクト

病理組織

著者: 前田明1

所属機関: 1東邦大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.606 - P.606

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写真1 脾 H・E,同偏光像
 非緩衝性ホルマリン固定の組織標本にはしばしば黄褐色から黒色顆粒状で,通常の鉄反応陰性,偏光下で複屈折性を示すホルマリン色素の沈着が認められる.ホルマリン色素はヘモグロビンとホルムアルデヒドおよび酸との反応生成物とされ,固定液のpHが5.6以下で生ずるといわれている.色素沈着量は,溶血をきたしている場合や固定期間が長い場合など一般に多くみられるが,このような場合,苛性カリやアンモニアを加えたアルコール溶液,3%過酸化水素水とアセトンの等量混合液にアンモニアを滴下した溶液,飽和ピクリン酸アルコール溶液などが除去法として使用される.その他塩酸純アルコール液も有効な除去液となるが,酸性アルコール液の欠点は同時にカルシウムも除去してしまうことである.(×400,400)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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