検査と技術11巻8号

1983年08月発行

技術講座 生理

終夜睡眠ポリグラフィ

著者： 西原京子¹ 斉藤泰彦¹ 遠藤四郎¹

所属機関： ¹東京都精神医学総合研究所

ページ範囲：P.724 - P.730

文献概要

　ポリグラフィとは，脳波，筋電図，眼球運動，心電図などの多くの生理現象を同時に記録する手技である．これを終夜にわたって行う終夜睡眠ポリグラフィは，日本では30年程前から行われていたが，一般的ではなかった．しかしエレクトロニクスの急速な発展に支えられて，性能のよい万能型脳波計が身近にある今日，終夜睡眠ポリグラフィは各地で行われ，①睡眠－覚醒障害の鑑別，②異常脳波，ポリグラムパターンの検索，③睡眠段階分布の検索，④薬物の影響の検討，⑤生体リズムの検討などの課題^1）に対して臨床，研究の場で活躍している．
　最近その手技に関しての報告が増えているが，その入力部に関する記述が極めて少ない．そこで本講座では，入力部分特に電極関係に焦点をおいて述べるとともに，ポリグラフィの一般的手技についても述べる．