文献詳細
文献概要
技術講座 細菌
百日咳菌の分離と同定
著者: 深見トシエ1
所属機関: 1東京都立墨東病院検査科
ページ範囲:P.815 - P.818
文献購入ページに移動 百日咳菌(Bordetella pertussis)は,1906年BordetとGengouによって百日咳患者の喀痰から初めて分離同定された.この菌はヒトの気道感染により激しい痙攣性咳嗽を起こす呼吸器伝染病の一つである.罹患年齢は2歳未満が約70%,夏に多発する傾向がみられる.1974年と1975年のワクチン禍のあと,副作用の少ない百日咳ワクチンが開発され,ワクチン接種率も増加したため,現在百日咳患者数は激減しているが,現実にはなお広く浸蝕していることが推測される.ここでは百日咳菌の臨床検査について記述する.
掲載誌情報