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文献詳細

雑誌文献

検査と技術11巻9号

1983年09月発行

文献概要

基礎実習講座

プール血清の作り方と使い方

著者: 水野映二1

所属機関: 1三井記念病院中央検査部

ページ範囲:P.849 - P.853

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プール血清の使われ方
 臨床化学検査は各種の測定法,多くの分析機器,および自動分析機により実施されている.これらの測定には常に測定誤差が潜在している.臨床検査としては初診時の測定値から病態の経過観察における測定値まで,長期間にわたり,高い信頼性が要求されている.このために,長期間の測定精度を得る手段として,何らかの方法で精度管理が実施されているのが実情であろう.
 一般的な精度管理法の一つに管理血清によるX-R管理図法があり,もっとも多く利用されている管理法である1).この目的に使用するための管理血清には,多くの種類が市販されており,利用施設も多い.しかし,市販管理血清は必ずしも,質的に,量的に,および経済的に満足されているものは少ないと思われる.これらの目的にある程度満足を与えるものとして,日常検査で測定の終わった残りの患者血清を収集して,作製するプール血清がある.まず量的には一定期間の間隔で,比較的多量に得られ,また質的にはヒト由来であり,同一性質をもつものが定期的に,かつ長期間にわたって入手できるという理想的なものと言える.次に経済性では選択収集,濾過作業の手間,濾過膜などの消耗品,濾過用機器などの経費を含めても,約30円/5mlと安価に出来る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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