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ザ・トレーニング 精度管理法
2 生化学—妨害物質に関する試験法について
著者: 下村弘治1
所属機関: 1三井記念病院中央検査部
ページ範囲:P.857 - P.859
文献購入ページに移動 血清中の成分分析は,従来は除蛋白し目的物質を他の干渉なしに測定する努力がなされていたが,近年の臨床化学検査は,前処理なしに多成分系が混在する血清中の目的物質を直接定量する方法が主流となっている.酵素的測定法の進歩により特異性の高い方法が採用されてはいるが,目的物質を定量する場合,血清中に混在するほかの成分の妨害が免がれないことがよくある.また医学の進歩により,以前に比べよりいっそうの正確な検査成績が臨床側より要求されているのが現状である.このようなことより妨害物質に関する問題が最近とくに論じられるようになってきた.
妨害物質とは,目的物質の分析に影響を与える物質ということができる.そして妨害物質による分析誤差のパターンは三つあげることができる.第一は妨害物質が目的物質と類似の反応を示しプラス誤差を生ずる場合である.例えばクレアチニンをJaffe反応を用いて測定する場合,Jaffe反応の特異性の欠如からブドウ糖,アスコルビン酸,ピルビン酸などのいわゆるクロモゲンも同時に反応し,プラス誤差を生ずるときなどである.
妨害物質とは,目的物質の分析に影響を与える物質ということができる.そして妨害物質による分析誤差のパターンは三つあげることができる.第一は妨害物質が目的物質と類似の反応を示しプラス誤差を生ずる場合である.例えばクレアチニンをJaffe反応を用いて測定する場合,Jaffe反応の特異性の欠如からブドウ糖,アスコルビン酸,ピルビン酸などのいわゆるクロモゲンも同時に反応し,プラス誤差を生ずるときなどである.
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