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エラスターゼの測定
著者: 中島公雄1
所属機関: 1横須賀共済病院中検
ページ範囲:P.861 - P.861
文献購入ページに移動 エラスターゼは,プロテアーゼの一種で,弾性線維エラスチンを特異的に水解する唯一の酵素と考えられている.本酵素は膵外分泌腺より分泌される外分泌酵素の一つであり,生体内での役割については,まだ一定の見解は得られていない.体内では主として膵臓に存在する.そのほかわずかに白血球,血小板,脾臓,大動脈壁などに存在することが知られているが,それらが膵エラスターゼと同一であるかは不明である.ヒト膵エラスターゼには,エラスターゼ-1とエラスターゼ-2の2種類が存在することが知られており,この二つの酵素は物理学的,酵素学的および免疫学的に区別される.
ヒトの血中エラスターゼ含量(または活性)を測定する試みは,コンゴレッドエラスチンを基質に用いる酵素活性測定のほか,二,三の報告があるが,いずれも現在用いられていない.最近,合成基質を用いたエラスターゼ活性測定法が開発されたが,この方法を用いてもヒト血中エラスターゼ活性測定は困難との報告が多い.これはおそらく,血中エラスターゼ濃度がきわめて微量であることと,エラスターゼが酵素阻害物質であるα1-アンチトリプシンやα2-マクログロブリンと結合しているからと考えられる,1978年,大山ら1)はヒト膵液よりエラスターゼ-1(以下E-1と略す)を精製し,血中E-1のラジオイムノアッセイ(RIA)法による定量を可能にした.
ヒトの血中エラスターゼ含量(または活性)を測定する試みは,コンゴレッドエラスチンを基質に用いる酵素活性測定のほか,二,三の報告があるが,いずれも現在用いられていない.最近,合成基質を用いたエラスターゼ活性測定法が開発されたが,この方法を用いてもヒト血中エラスターゼ活性測定は困難との報告が多い.これはおそらく,血中エラスターゼ濃度がきわめて微量であることと,エラスターゼが酵素阻害物質であるα1-アンチトリプシンやα2-マクログロブリンと結合しているからと考えられる,1978年,大山ら1)はヒト膵液よりエラスターゼ-1(以下E-1と略す)を精製し,血中E-1のラジオイムノアッセイ(RIA)法による定量を可能にした.
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