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文献詳細

雑誌文献

検査と技術12巻1号

1983年12月発行

文献概要

検査を築いた人びと

血圧測定に聴診器を導入した ニコライ・セルゲーヴィッチ・コロトコフ

著者: 酒井シヅ1

所属機関: 1順天堂大学医史学

ページ範囲:P.26 - P.26

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 近年,電子機器による血圧計も作られるようになったが,昔からの血圧計を使う限り,必ず肘窩に聴診器を当てて最高,最低血圧を測定する.この方法はイタリアの小児科医マテオ・リッチがこの種の血圧計を1896年に創案したときには用いられていなかった.指で脈を調べて,脈が触れだしたときを最高血圧と判定していたのである.それでは最低血圧は測れなかった.ところが,聴診器を使うと,最低血圧の測定が可能になったばかりか,最高血圧も脈を触れて測るより10mmHg前後高いことがわかり,これによって簡便にして正確な血圧の値を知ることが可能になった.この方法を見つけたのがロシアの外科医コロトコフであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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