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文献詳細

雑誌文献

検査と技術12巻1号

1983年12月発行

文献概要

マスターしよう基本操作

吸収セルの知識と管理

著者: 関口光夫1

所属機関: 1日本大学板橋病院臨床検査部

ページ範囲:P.49 - P.55

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 吸収セル(absorption cell)とは,吸光光度法において試料液や溶媒の透過パーセントや吸光度を計測するための光路長が定まっている石英やガラス製の容器である.日常的には単にセルと呼ばれていることが多い.その形状は角形で光路長(L),光路幅(W),高さ(H)が10×10×45mmのものがもっともよく使用されている.一般に角形のセルをキュベットと呼んでいる.その他に試験管形のものや試料液を細い管を通して充満させたり,あるいは流しながら計測することができるフロー形のセルもある.
 セルの材質には石英,ガラス,プラスチック製のものがある.石英製は主として紫外(200〜370nm)可視(370〜700nm)および近赤外(700〜2,600nm)の波長範囲の測定に,ガラス,プラスチック製は主として可視および近赤外の波長範囲の測定に使用される.プラスチック製セルはアクリルやポリスチレン樹脂製のものが多く,低コストであることからディスポーザブル的に使用できる.感染性のある試料やRIの試料などのように回収して使用したくないような場合に有用である.セルの材質に対する透過率曲線を図1に示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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