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文献詳細

雑誌文献

検査と技術12巻10号

1984年10月発行

検査を築いた人びと

元素周期律表を作った ドミトリー・メンデレーエフ

著者: 酒井シヅ1

所属機関: 1順天堂大学医史学

ページ範囲:P.876 - P.876

文献概要

 1770年代に空気中の諸元素が発見されてから約100年の間,つぎつぎと新しい元素が発見された.そうなると各元素間に何らかの共通する法則性があるだろうと考える人が現われて当然である.だが,元素が持つさまざまな条件を満足させ,一般に認められるだけの規則は容易に見つからなかった.ロシアのドミトリー・イヴァーノヴィッチ・メンデレーエフ(1834〜1907)とドイツのL.マイヤー(1830〜1895)がほぼ同じ頃,元素に周期律のあることを発見した.しかし,メンデレーエフの方は周期律表に空欄の場所を設け,そこに未知の元素が存在するに違いないと予言した.
 D. メンデレーエフはシベリアのトボリスクに生まれた.兄姉は17人,その末子が彼であった.父親は中学校の校長で,母親はこの地方の資産家の娘であった.父親に早く死に別れ,その後は母親の経営するガラス工場の近くに住んだが,ここで彼は工場の仕事に興味を持った.それがのちに化学の道に進むことと無縁ではなかったであろう.また,母親そのものからも強い影響を受けたが,15歳のときに母とも死別した.母はその死の直前に彼をペテルスブルグに連れて行き,教師の道に進ませた.彼はこの学校で多くの優れた教師に出会う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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