icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術12巻10号

1984年10月発行

基礎実習講座

異染小体染色法

著者: 池田政勝1

所属機関: 1東海大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.929 - P.932

文献概要

 異染小体(metachromatic granules)は細菌,真菌,藻類,原生動物に認められる,分子量が非常に大きなポリメタリン酸から成る顆粒で,高エネルギー源と考えられている.BabesとErnstによって発見されたためBabes-Ernst小体とも呼ばれ,またMeyer1)はボルチン顆粒(voltin granules)と命名している.細菌においては原形質内に直接認められるが,原子単細胞生物では液胞内に存在すると考えられている.異染小体の細胞学的特性はWinklerによって研究されている3)
 本小体はpH1.5〜2.0の酸性下で染色すると他の菌体より濃染し,吸収スペクトルの最大吸収波長のずれにより本来の色素と異なった色調を呈し,その名のごとく異染色性(メタクロマジア;metachromasia)を示す.この特性を利用したのが異染小体染色であり,臨床細菌検査においてはもっぱらジフテリアの早期推定,Corynebacterium属,特にジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の同定の一助として用いられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら