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文献詳細

雑誌文献

検査と技術12巻11号

1984年11月発行

文献概要

病気のはなし

高血圧症

著者: 松永正人1

所属機関: 1京都大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.964 - P.970

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高血圧は病気か?
 血圧(動脈圧)の高い人に心臓の肥大や脳卒中,腎障害がよく見られることは,19世紀に血圧が現在のような方法で広く測定されるようになった頃からよく知られていた.そこで英国のPickeringは,病的な高血圧の範囲を区分しようとして一般成人の血圧分布を調査したが,身長と同様に単一モードの分布を示し,どこにも境界となるような指標を認めえなかった1)
 また血圧は同一人でも一定ではなく,身体運動や精神緊張などの必要に応じて生理的に上昇する.したがって,単に血圧が高いというだけでは病気とは言い難いのであるが,大規模な保険会社やその他種々の機関による統計資料によれば,血圧が高い人ほど心血管系の障害を起こしやすく短命であることが示されている2).このような事実は,少なくともある程度以上の慢性的高血圧は病的とみなして対処すべきことを物語る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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