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文献詳細

雑誌文献

検査と技術12巻11号

1984年11月発行

文献概要

技術講座 輸血

交差適合試験

著者: 山本一恵1

所属機関: 1大阪大学病院輸血部

ページ範囲:P.988 - P.992

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輸血に占める交差適合試験の位置
 輸血の目的は受血者に不足している血液成分を輸注して補い,かつそれが受血者の体内において,あたかも健康時そのままのごとく作用することで達せられる.しかし,せっかくの輸血が無効であっても残念だし,まして副作用などを引き起こすようなことになれば大変なことである.その危険を防止するためにさまざまな工夫がなされている.例えば,
 1)輸血血液の安全確保および保存管理
 2)スムーズな流通機構
 3)的確な輸血指示
 4)輸血前検査:①血液型検査,②不規則抗体検査,③交差適合試験
 5)輸血後副作用の有無確認およびその処置
 などである.交差適合試験はそのうちの一つの関門であって,輸血の安全を保証するすべてではないが,輸血直前の最終の防波堤ともいうべき非常に重要な検査である.また輸血過誤の中で見落としてはならないものに,事務ミスや取り違いがかなりの比率を占めているということである.
 そこで交差適合試験を精確に行うことはもちろんであるが,できるだけ簡略に,そして早く対応できるようなシステムを作ることが必要である.事前に次の1)〜5)のようなことを知っておくと,能率よく作業ができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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