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組織プラスミノーゲンアクチベータ
著者: 松尾理1
所属機関: 1近畿大学第一生理学
ページ範囲:P.1021 - P.1022
文献購入ページに移動t-PAは,身体の多くの組織,特に肺,前立腺,子宮,卵巣などに存在し,さらに血管壁内皮細胞やある種の癌細胞中にも存在している.従来のt-PA研究が主に組織抽出液を中心に行われていたため,研究材料の入手難および最終産物の超微量という難点が生じ,十分に研究できなかった.ところが,t-PA研究が最近飛躍的に進歩したのは,t-PAの材料としてメラノーマ細胞の培養液を用いたためで,材料の制約がなくなり,さらに培養液そのものに夾雑する蛋白が非常に少なく,精製t-PAを得るのにたいへん有利となった.このため,in vitro実験のみならず,in vivo実験もまかなえるほどt-PAが取得できたのである.
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