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卵巣癌腫瘍マーカーとしてのCA125
著者: 葛谷和夫1
所属機関: 1愛知県がんセンター婦人科
ページ範囲:P.1022 - P.1023
文献購入ページに移動 卵巣癌は我が国ではいまだ発生頻度は低いが,近年増加傾向にある.卵巣癌全体の5年生存率は現在30〜40%と非常に悪く,その診断,治療に苦慮しているのが現状である.予後不良の主な原因は,卵巣癌がsilent diseaseであり,初期の症状に乏しく,早期発見が難しいことにある.
代表的な自覚症状に腹部膨満,下腹部痛などがみられるが,これらは既に癌が骨盤内浸潤ないし腹腔内播種をきたしている結果の症状であり,卵巣癌の大半はこのような進行癌として発見されている.したがって,その治療に際しては外科的切除のみでは不十分であり,組織型をも加味した化学療法,放射線療法などの組み合わせによる集学的治療が,他臓器癌に比しより必要とされる.こういった観点からも,治療効果を含めて病態の推移を正確に反映し,治療経過の追跡により適した腫瘍マーカーが待ち望まれている.
代表的な自覚症状に腹部膨満,下腹部痛などがみられるが,これらは既に癌が骨盤内浸潤ないし腹腔内播種をきたしている結果の症状であり,卵巣癌の大半はこのような進行癌として発見されている.したがって,その治療に際しては外科的切除のみでは不十分であり,組織型をも加味した化学療法,放射線療法などの組み合わせによる集学的治療が,他臓器癌に比しより必要とされる.こういった観点からも,治療効果を含めて病態の推移を正確に反映し,治療経過の追跡により適した腫瘍マーカーが待ち望まれている.
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