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検査を築いた人びと
膝蓋腱反射法を発見した ハインリッヒ・エルブ
著者: 酒井シヅ1
所属機関: 1順天堂大学医史学
ページ範囲:P.126 - P.126
文献購入ページに移動 脚気がどこにでも見られたころ,人々は脚気になると膝の腱反射が消失するのだといって,自分で膝小僧を叩いてみたものだった.今でも医者に行くと,視診から始まる診察は最後にハンマーで膝を叩いて終わる.それは,これがもっとも簡単で,かつ正確な神経機能検査法だからである.この検査法を見つけたのがドイツの神経学者エルブであり,それは1875年のことであった.しかし同年同月,エルブの学問上の宿敵カール・ウェストファール(1833〜1890)もこの反射法の意義を発表.これにより腱反射が消失することを"エルザ-ウェストファール症候"と呼んだ.
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