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文献詳細

雑誌文献

検査と技術12巻2号

1984年02月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

LE細胞はどうしてできるか

著者: 星野孝1

所属機関: 1福井医科大学免疫-寄生虫学

ページ範囲:P.127 - P.131

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 1948年Hargraves, RichmondおよびMorton1)は,全身性紅斑性痕瘡(以下,SLE)患者の骨髄穿刺液または末梢血の凝血塊から作製した塗抹標本中に,大型の封入体をもつ白血球が多数認められることを発見し,Lupus erythematosus cell(LE細胞)と呼んだ.そして,この封入体は白血球の核に由来するものであり,それを自己の他の白血体が貪食してできたものであることを立証した.
 1949年Hargraves2)は,SLE患者血清と正常人白血球とを孵置してもLE細胞が形成されることから,LE細胞形成にはSLE患者血清中に存在する因子が重要な役割を果たしていると考え,これをLE細胞因子と呼び,かつLE細胞がSLEに診断的意義をもつ事実を明らかにした.その後Haserickら(1950)3),HolmanとKunkel(1957)4)らはそれぞれ別個に,上記LE細胞因子が患者γ-グロブリン中に存在すること,すなわち抗体であることを立証し,この因子がSLEの発症や病態に本質的な意義をもつと提唱した.その後の多くの検討により,LE細胞因子は抗核抗体の一種であり,SLEが自己免疫疾患である証拠の一つとして重要視されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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