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コーヒーブレイク
剖検よりみた老年化傾向
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ページ範囲:P.153 - P.153
文献購入ページに移動 日本人の平均寿命は明治・大正期を通じて低い水準にあったが,昭和期に入って延び始めたことはよく知られている.年齢構成の変化はこれに遅れて出現し,年少人口(0〜14歳)が減少し,生産年齢人口(15〜64歳)および老年人口(65歳以上)が増加してきた.1920年(大正9年)にそれらの占める割合はそれぞれ36.5,58.3,5.3%であったが,1960年には30.2,64.1,5.7%,1982年には23.0,67.5,9.6%となっている.この傾向は1950年(昭和25年)頃から認められ,年少人口が減少し,老年人口が増加し,老年化傾向が進んでいる.
東京大学の1883〜1981年の約1世紀にわたる剖検記録をみても,老年化の傾向は最近20年間において著しい.1883〜1900年の19世紀末,1901〜1920年,1921〜1940年,1941〜1960年の20世紀に入っての各20年間における全剖検例の中での65歳以上の占める割合は7.9,10.2,8.5,9.6%とほぼ横ばいであるが,1961〜1970年には19.4%,1971〜1981年には31.5%と急増している.
東京大学の1883〜1981年の約1世紀にわたる剖検記録をみても,老年化の傾向は最近20年間において著しい.1883〜1900年の19世紀末,1901〜1920年,1921〜1940年,1941〜1960年の20世紀に入っての各20年間における全剖検例の中での65歳以上の占める割合は7.9,10.2,8.5,9.6%とほぼ横ばいであるが,1961〜1970年には19.4%,1971〜1981年には31.5%と急増している.
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