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文献詳細

雑誌文献

検査と技術12巻5号

1984年05月発行

文献概要

マスターしよう基本操作

ウイルスの培養—1 組織培養法

著者: 山西弘一1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所麻疹部門

ページ範囲:P.439 - P.446

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 一般に"組織培養法"という用語がウイルスの実験に用いられるが,実際は"細胞培養法"という方が適切である.ウイルスの分離・同定,さらに血清学的検索(主として中和法)には,現在では"細胞培養法"の習得が必須である."細胞培養法"には2種類の方法,すなわち,①初代培養法,②継代株培養法がある.初代培養法は生体から組織(胎児の腎臓,肺など)を取り出して,トリプシンなどの蛋白分解酵素を用いて一個一個の細胞に分離し,適当な培地(栄養液)に浮遊させた後に,ガラス瓶やプラスチックシャーレの中で培養する方法である.この場合,すべての操作は無菌的になされることが要求される.初代培養細胞はある一定の細胞分裂の後に分裂不可能となり,死滅する.次に継代株細胞培養法は初代培養細胞がなんらかの原因で分裂を行った場合,永久に継代株細胞となる.有名な株に子宮癌由来のヒーラ細胞があり,生体が死んだ後も世界中の研究室で実験に用いられている.そのほか種々の継代細胞株があり,ウイルスの実験に用いられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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